「間が作れない」という悩みには、感覚の問題ではなく仕組みの問題が混ざっています。
人は、相手の話を最後まで聞いていない
会話の隙間は平均0.2秒です。息を吸うには0.5秒かかります。
数字が合いません。
合わない理由は、聞き終わる前に返答を組み上げているからです。
聞きながら、相手の文がどこで終わるかを予測しています。
これを終端予測といいます。
予測は、話し終わる1秒以上前から始まっています。
だから、予測をずらすと相手が崩れる
ある俳優が言っていたことです。
共演するとき、言葉の途中でしっかり止めてみる。
すると相手が、そこで終わったと思って喋り出してしまう。
つまり相手は、言葉そのものを聞いていない。
終わりの形を予測して待っているだけです。
これは意地悪をしているのではなく、確認です。
予測をずらされて崩れるかどうかで、聞いているかが分かります。
自分のセリフだけ覚えていても、進めない
ここが本題です。
相手役のセリフを覚えていないと、どこで終わるかを予測できません。
予測できないと、
・早く返せない
・ずらせない
・重ねられない
つまり、間を設計する材料がありません。
これは技術以前の問題です。
「間が持たない」と言われている人の一定数は、
感覚ではなく、相手のセリフを覚えていないことが原因です。
繰り返すと、予測が簡単になりすぎる
逆の問題もあります。
同じシーンを何度も稽古していると、互いにセリフを覚えてしまいます。
すると終端予測が簡単になりすぎて、言葉を聞かなくても返せる状態になります。
本番が段取りに見えるときの一因がこれです。
対策は、稽古のどこかで意図的に予測を外すことです。
途中で止める。速さを変える。語尾を変える。
崩れたら、聞いていなかったということです。
覚え方の順番
まず自分のセリフを覚える。これは当然です。
そのうえで、相手役のセリフの「終わり方」を覚えます。
全部を暗記する必要はありません。
・どの言葉で終わるか
・語尾は上がるか下がるか
・どのくらいの長さか
この3つが分かれば、予測できます。予測できれば、ずらせます。
まとめ
・会話は0.2秒で回る。聞き終わってからでは間に合わない
・だから人は終端を予測して返している
・相手のセリフを知らないと予測できない
・予測できないと、早く返す・ずらす・重ねるが全部できない
・覚えるべきは相手のセリフ全文ではなく、終わり方
間は、感覚ではなく情報の問題です。
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